AWS Cloud Storage Day 取材レポート(2).[基調講演] NASDAQ OMX FinQloud™のご紹介
- AWS Cloud Storage Day ~ストレージの『今』へご招待~
| 2013年9月13日(金)アマゾン ウェブ サービスの無料ストレージカンファレンスを開催! - セッション・講師紹介 [K-02]基調講演:
基調講演: NASDAQ OMX FinQloud™のご紹介
~金融機関のための安全なクラウドコンピューティングプラットフォームの構築~
基調講演セッション2つ目はNASDAQに関するものです。規制の厳しいであろう金融業界でどのようにAWSを展開させて行ったのか、その辺りを踏まえつつレポートしてみたいと思います。
講師・概要紹介
講師
Mr. Adam Honore(Managing Director, NASDAQ OMX Group, Inc)
概要
NASDAQ OMX, IncはAWSのクラウドコンピューティング技術と、NASDAQ OMXが持つセキュリティ技術を組み合わせ、法令上要求されている金融機関の各種データを低コスト、かつ効率的に管理するストレージサービスを提供しています。このプラットフォームは、データの管理、またインフラストラクチャの管理に関わる運用上のコスト、運用の煩雑さを劇的に低下させました。
本セッションでは、NASDAQ OMXがどのようにAWSのクラウドコンピューティング技術を利用し、金融機関向けに高付加価値のサービスを提供しているかをご紹介いたします。
セッション内容レポート
AWS利用にあたっての市場調査
AWS利用にあたっては、まず課題を洗い出す為に資本市場におけるクラウド導入に関する調査を行いました。1月時点での調査内容なので数字は変わっていると思いますが、以下のような結果となりました。企業の34%がクラウドを採用しています。
クラウドに関する懸念は何があるでしょうか?やはり気密性の高いデータである事が重要視されています。金融業界は規制が厳しいので、まずその点について信頼して頂かなければなりません。セキュリティと可用性が主な懸念事項である事が、調査結果からも裏付けられており、遅延やパフォーマンス採用曲線、内部結合も懸念事項として挙がっています。
どんなものをクラウドのユースケースとして使っているか?我々の場合、主にテストとして使っています。金融業界に於いては沢山の市場データを使わなければなりません。かなりの量の履歴データ、分析データが必要となります。また、ストレージコストを下げたいという思いもあります。
AWSを使用するにあたっては、かなり評価をしなければなりませんでした。業界の中でAWSをどのように使っているかを調べました。当時はYesが17%程度でしたが、半分程度が検討中段階。使用用途を考えるとセキュリティ監査やコンプライアンスも含め、割と長くなりがちのなので検討も慎重にならざるを得ないのです。インフラ縮小に関しては、多くの人々が検討をしておりませんでした。全体の3/4が、『縮小予定はない』と回答しています。しかし、1ドル節約は1ドル獲得するのと同じことなのです。
FinCloudとは
AWSとの全面的な協力を元に作成しました。セキュアなクラウド・コンピューティング/ストレージプラットフォームであり、データの保存や管理に伴う運用コストと複雑さを軽減するための、金融業界の為に設計された機能を搭載しています。作成に当たっては、一番小さい、安いところを採択したく、コストが重要な価値提案要素となりました。我々としても協力体制を敷き、開発やアーリーアダプションとしても参加し、チームと蜜に連携、製品協業でもタッグを組んで作業を行いました。
AWSのマーケットプレイスは日々拡大を遂げています。もしあなたが英語が読めるのであれば、是非マーケットプレイスを読んでください。買うのでは無く、例えば、SAP HANAのようなものを使うことが出来る。なぜ借りる事が出来るのに、作ろうとするのでしょう?作るのではなく、借りる。パートナー企業が全て借りられる。準備が出来るまでは安いコストで行う事が出来るのです。
FinQloudでは製品としてR3、QUERY、Amazon Web Servicesに対応させたものをそれぞれ御提供しています。
FinQloudの利用者は、AWSサービス/ソリューションをAWSが公表している料金で利用出来る事に加えて、このプラットフォーム以外では利用出来ない、金融市場参加者のためのサービス/ソリューションを利用出来ます。追加料金は一切発生しません。
クラウドに何を組み込んで行くか?チャンスはあります。考えるのはあなた方です。どんな分野でも、まずクラウドを検討すべきでしょう。FinCloudを使っているのは現在25社程。興味をお持ちの方は是非ご連絡ください。